ひとりごと

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観劇記録 ミュージカルRAGTIME(ラグタイム)

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9月10日(土)@日生劇場

日本初演の作品。

推し俳優の東啓介(とんちゃん)が出演するということでチケットを確保した。当日の朝までチケット発券しないのはよくあることで、座席はわからないけどとりあえずオペラグラスを鞄に入れて家を出た。最寄り駅前のローソンで発券し、座席を確認する。「XC列」……見慣れない席番だけど、察するに最前列ブロックか最後列ブロックだろう。劇場公式HPの座席表で確認してみると前から3列目の下手席だった。そ、想像以上にステージが近くてビビる。事務所FC先行チケットなので恐らくとんちゃんが下手側に立つことが多いんだろうな。彼が出演する作品では席運に恵まれることが多いので、今回も本人と事務所への感謝の言葉を心の中で唱える。

 

以前会社でお世話になっていた先輩とのランチを終えて日比谷駅へ向かう。ドリボ(『DREAM BOYS』)も今日が初日と友人のSNS投稿を見て気付く。どうりでジャニオタっぽい女性がちらほら歩いてるわけだ、と納得する。初日がんばれしょっぴと慎太郎。と帝国劇場に念を送っておいた。

大きい劇場なので恐らく飲食スペースがあるだろうけど、席が空いてない時のことも考慮して一本満足だけ買った。どうせならおにぎりにすれば良かった。早めに到着したおかげで飲食席は確保できたのでそそくさと一本満足を頬張った。久しぶりに食べたけど美味しい。あのキャッチーなCMソングとアドリブダンスを食べる度に思い出す。

 

実際に着席するとわかるステージとの距離感。近い。大きな会場の近距離は久しぶりで、動揺する。「観劇はデート(服を着ておめかしして気合い入れるもの)」の信条に従って、最近お気に入りのワンピースを着てきてよかったと思った。

出演キャストをとんちゃんとネスミス以外把握してなかったので開演前に確認。石丸幹二井上芳雄安蘭けい……うん、豪華な面子。観客の人たちの会話も宝塚や井上さんのお話されてる方が多くて面白かった。「花組が〜」「この間の舞台も良くて〜」とか……。この間観劇した2.5次元舞台との違う空気感や会話をふんわり楽しんだ。

 

幕には黒人・白人・ユダヤ人の人々が投写されていて、この作品が3つの人種に関係する話なのだと察する。恥ずかしながら、アメリカの歴史に詳しくない。こうして海外の舞台・ミュージカル作品を観る機会が多くなっているので、いい加減アメリカの歴史について基礎知識と要点だけでも学んでおくべきだなと痛感した。

開幕後、投写された人物の位置からキャストが順に登場する。白人の中でやけに背の高いキャラクターがいるな〜と開演前に違和感を感じていたけれど、「あ、これはあそこからとんちゃん出てくるな」と予想通りになった。頭飛び抜けて大きい推し。今回も(いつも)足が長くて肩幅広くてカッコよくて輝いてた。折角最前ブロックの席を貰ったので、終始とんちゃんを追うことに集中した。劇中に、まさしく下手最前ブロックの客席に向かってアピールするシーンがあった。目がバッチリと合ってしまった。ありがとう、神様。ニッコリ笑顔の推しに内心動揺しつつ、こちらも笑顔を返させていただきました。

 

作品の内容についてはうまくお伝えできる自信がないので、役者さんに関連づけて印象的なところに触れる。

【ターテ役・石丸幹二

石丸さんの素敵なアルトが会場に響き渡る。声量がすごい。他の俳優の歌声を消す勢い。痺れるカッコよさだった。シリアスさや重苦しさを感じさせる演技をしている中で、マザー役安蘭けいさんとの台詞のかけ合いで少しコミカルな口調になる場面があった。客席から笑い声が上がって私は少し驚いたけど、ご本人もまさかあそこがウケると思いませんでした〜と仰っていた。

カテコで「日本では馴染みが薄い人種の問題。今は日本でも多様性について身近に感じることが多くなりました。この作品で取り上げられた3つのルーツについて、考えるきっかけになっていただけたらと思います」(※うろ覚え)と発言されていた。まさしくその意図を作品通して感じていて、最後は涙を流してしまったので、深く頷きながら言葉に聞き入った。

【コールハウス役・井上芳雄

今回、私が不意打ちを食らった人。一番ドキドキワクワクさせられた人だった。スターだと担ぎ上げられるのが分かる。自分の世界観に引き込むのが上手いというか、魅力的な歌声と演技につい見入ってしまう。そんな感覚。ムーラン・ルージュ行けば良かったな〜と何度も後悔してる。来年の再演は絶対に行こう。

黒人差別を受けた上に妻を白人に殺され、嘆き絶望した時の演技は圧巻だった。肉眼で彼の表情を見ることができたからこそ味わえた。

【マザー役・安蘭けい

何度も名前を聞いたことのある有名な宝塚出身の俳優さん。よく通る歌声が素敵だった。殻を脱ぎ捨てたいと思いつつも結局結婚をして安全な門の内側にいる自分と女性としてのコンプレックスを抱えながら、異なる人種であっても懐に受け入れてすべてを愛する正義感の強い人、という印象的な役柄だった。最後、まさかターテと結婚するとは思わなかったけれど笑。

カテコで感極まって泣かれていた。まさかの初日に。「まるで千秋楽みたいだね」と井上さんが茶化していた。安蘭さんの人柄に触れられた、微笑ましいワンシーンだった。

【サラ役・遙海】

歌声の透明感と力強さに感動して涙が出た。透明感と力強さって共存できるんだね。『RENT』で注目を集めたみたいだし、今後の活躍が期待されているんだろうな。井上さんとのデュエットが素敵だった。

生まれたばかりの子供を捨てて殺そうとしたことを謝ったり、子供の未来に希望を抱いて期待したり、子供を置いて演説に乗り込んで死んでしまったり、悲惨な人生を歩むキャラクターではあるけれど母親としてはひどく身勝手な振る舞いだな…と少し不満に感じるところがあった。

【ヤンガーブラザー役・東啓介

まだ年齢が若いこともあって、海外作品だと変わり映えのない現状に不満を持ち刺激的なことに飢えている若者、という役柄を演じることが多いな〜と改めて思った。

とんちゃんの歌も演技も十分上手いと思ってるけど、石丸さんや井上さんと一緒にいるとまだまだ伸び代があるなと感じた。成長しきった時のとんちゃんを観るのが今から楽しみ。