ひとりごと

趣味に関する感想や日記など

長期の有給休暇中だけどいつもとやってること変わらない

退職に伴う引き継ぎなどでバタバタした年末。年始の挨拶や両親と兄家族との小旅行でバタバタした年始。そんな年末年始が落ち着いて、約一ヶ月の有給休暇を過ごしている最中です。正直時間を持て余している気がする。でもまぁ退職時の有給休暇ってそんなもんだよなと割り切って、ゆっくりしたいと思ったら家でとことんくつろぐようにしています。あとなるべく午前中に予定を入れて、生活リズムを崩さないように意識してます。午前中に活動始めると一日の充実度が違う。

今年の目標

新しい会社と仕事に馴染む

今までと雰囲気が全然違う業界、似ているようで違うしレベルも高くなるであろう業務内容に慣れていくことが第一。心機一転、がんばりたいです。

日記(ブログ)を書くことを習慣にする

昨年の8月頃から日記を書くようにしてます。転職活動を終えてからかなりサボり気味になっているけれど細々と続けられているので、三日坊主常習犯の自分としては上出来。これからもできるかぎり書き留めるようにして、余裕があればブログ記事にできればいいなと思います。

本(小説)を毎月なにかしら読む

語彙力や文章力をこれ以上衰えさえないためにも小説を読むようにしたいです。

1月前半のオタ活

1/5頃まで:クライムサスペンス系の映画作品を中心にNetflixで8作品観ました。

一番印象に残ったのは『BAD  LANDS』。悪い奴が全員死ぬか捕まるかして、主人公のネリ姉一人勝ちの結末が痛快で面白かったです。

bad-lands-movie.jp

1/13:アークナイツ 4th Anniversary Fes.に参加しました。

友人に無理言って同行してもらいました。本当にありがとう。

イベント参加した一番の目的はオペレター(キャラクター)とのツーショット撮影。どの友人にも「とびきりいい笑顔してるよ」と言われるぐらい推しとのツーショで笑顔が弾ける私。今回もしっかり満面の笑みで撮ってきました。できることなら3人ぐらい撮りたかった。全オペレーターが壁画で展示されていたのでその場で撮影をしてもよかったんですが、そういう雰囲気でもなかったので空気を読んで壁画展示での撮影は控えました。

ファンがみんな笑顔で楽しんでいる空気が会場に満ちているリアルイベントは、その場にいるだけでも楽しいなと改めて感じました。

1/17:映画『カラオケ行こ!』を観に行きました。

和山先生の漫画でしか表現できない独特の間やユーモアをどう表現しているのかを気にしながら観ました。いや、ウソつきました。綾野剛が成田狂児をどう演じるのかが一番気になってました。綾野剛の目線や声音、挙動を1秒も見逃してなるものかという気持ちで凝視してしまいました。

映画オリジナル作品として新しい『カラオケ行こ!』を満喫できました。完成度が高かった。漫画原作の世界観を大事にしつつ、主人公・聡実くんの繊細な心の動きにうまくアプローチされていたしちゃんと伝わってきました。

オタクとしての貪欲な感想をあげるとすれば、具現化した成田狂児のことを邪な目でしか見れなかった。ありがとう綾野剛…………。

映画を観た後はインタビュー記事を読み漁ることをお勧めします。(いい意味で)原作を“忠実“に再現していない理由や背景を知ることができて、この映画作品に対しての解釈を深められてよかったです。

movies.kadokawa.co.jp

1/17:『ダンジョン飯』全14巻読了しました。

アニメ化でも話題になっている作品。今回発売された新刊が最終巻ということと、DMMブックスのポイント大還元対象商品でかなりお得だったので全巻大人買いしました。面白くて一気に読み進めてしまった。ただの料理漫画ではなく、ファンタジーと冒険譚の要素がぎゅっと凝縮された作品でした。面白い作品を味わった後の余韻に浸りながら、ゆっくり読み返してこの作品をより楽しみたい気分です。

ちなみに還元されたポイントで『ハチミツとクローバー』を買い直しました。ポイントで全額まかなえたので0円。ポイント還元は偉大。ハチクロは無性に読み返したくなる作品の一つだったからやっと購入できてスッキリしました。男性キャラの中で誰が好きなのかもう一度考え直したいんだと友人に話したら「え?どうせ野宮さん一択でしょ」とバッサリ返されました。ですよね。

転職活動を無事終えられました。

バックオフィス系職種のアラサーOL、この度5年間勤めた会社を年内で退職し、1月末から新しい会社に勤めることになりました。

転職をしようと決意したのは7月ごろ。そこから数えると約4ヶ月間の活動期間でした。

なっっっっがかった。苦しかった。でも希望に合う企業とご縁を貰えて本当に良かったです。

 

転職のタイミング

もともと今の会社で、この先長く勤められるとは思っていなかった。専門職の業種でもあったため、資格を持っていないと待遇や今後のキャリアにかなりの差が生まれるのは周知のことだった。(そもそも事務職で入社しているのに、なぜ私が資格持ちと同じ仕事をして同じ尺度で扱われていたのか問題)

もし私が結婚して子供もいて、テキトーに仕事をして時短で帰るという生活をしていたら違ったのかもしれない。だけど、30歳を超えてこの先どうなるかもわからない状況。稼ぎも一定以上かつ上がる見込みがないと現実的にもモチベ的にも厳しい。年数を重ねるにつれて任される仕事の量や内容が異なるなら尚更だった。

40歳になると一般的にマネジメント能力や実績が問われることになる。現職でその経験を積める見込みはゼロ。あと数年後では取り返しがつかなくなる。30歳前半の今が転職のベストタイミングだと思った。

 

エージェント選び

私はR社とB社を利用した。最終的にB社経由で繋がったC社転職エージェントのおかげで内定を掴めた。専門職系の転職エージェントも最初は検討したけれど、求人の選択肢(資格持ちが有利すぎて待遇条件が良くなかったり、扱う業種が限定的)が狭いことを理由に使わなかった。

個人的な使用感で2社比較の感想を残しておく。あくまで参考に。各社・各担当者のやり方が自分に合うかどうかがすんごい大切だと思う。

正直どんなエージェントと出会えるかご縁。

 

【R社】

・“転職エージェント”ではなく“転職アドバイザー”という点がかなり重要。

・求人の掲載数は一番。良くも悪くも選択肢が多い。

・履歴書と職務経歴書を簡単に作れる。

・毎日10通以上求人紹介メールがくる。ブクマした求人などを参考に半自動的におすすめ求人が送られてくる方式。選別や朝から晩まで届く通知が苦痛だった。

・汎用性はあるのかもしれないけれど、しっかり一人ひとりに合ったフォローやサービスを提供してくれることはなかった。担当者の使い方(付き合い方)が悪かっただけかもしれない。

・とにかく応募数が大事ですという姿勢で、数打ちゃ当たる方式。苦痛だった。

・面接対策のフォローもいまいち。

 

【B社(経由のC社エージェント)】

・もともとハイクラス転職の会社なので、自分のレベルに合う求人は少なめだった。年収設定の参考にはなる。

・B社のサービスを通して、外部の転職エージェントとマッチングができるのが一番の特徴だと思う。B社社員のエージェントというのは存在しないっぽい?

・転職エージェント会社によって扱う求人や職種の得意不得意があるため、エージェント選びが大事。今回私を担当してくれたC社エージェントは、私の希望職種にマッチしていて職種の動向や業界ごとの業務内容にも詳しく、アドバイスにかなり説得力があった。

・求人はエージェントが選別してくれて、紹介された数社の中から応募するかどうかを自分で決める。

・企業の人事担当と直接連絡を取り合ってくれているから、面接前後のフィードバックや面接対策の情報共有もしっかりしてくれた。必ず事前対策の時間をとってくれるのもありがたかった。

 

企業の選び方

最終的にはC社エージェントにアドバイスを貰いながら決めた。私の希望職種はどの業界どの企業にもある仕事だったので、まずは業界を絞る必要があった。

応募する業界を絞った上で、社風、部署の人数、上場か非上場かどうか、業務内容や年収、と色んな項目を求人票や会社HPを確認してしっくりくるかどうか。ただ、希望した会社の選考が必ずしも通るとは限らないので正直少しでも可能性があるなら応募しておいて損はないって感じ。

面接官の人柄や雰囲気も個人的には重視した。特に所属部署の上長。一緒に働くことになる人に、この時点で違和感を感じたら絶対合わない。人間関係大事だから。上司になる人なんて特に。今まで上司に苦労させられてきた思い出しかないから余計に。

最終的にはまじでご縁。

面接でどこまで伝えられるか伝わるかどうか。先方にどう捉えられてるかは全くわからないので、面接が終わってしまえばこちらにはもうどうにもできない。

どうにかご縁を引き寄せたくて私は強運のご利益を貰いに参拝した。

 

結果的にどれくらいの応募数と成果だったか

多分40社ぐらいは書類応募した。その中で一次面接まで進んだのは10社。最終選考まで進んだのは2社。内定は1社。

8月末頃から応募を始め、9月から毎週面接をしていた。面接は基本WEBだったので、企業までの移動時間などをいちいち考えなくて良かったのは楽だった。

 

7月〜11月までの振り返り

以下、各月ごとにやってたことや感想です。

7月

年度末賞与面接にて、今の立場では給与が上がる見込みがないことを宣告される。役割以上の重たい仕事をやりきったことに対して全く言及されず、表面的なことしか話がなかった。むしろ低い評価をつけられている印象だった。それなのに、会社として人手不足かつ案件も増えているため、今以上に働いてほしいと言われ、矛盾と限界を感じ転職を決意。

 

8月

どの転職エージェント(サイト)を利用するか吟味&今後の方向性を考えた準備期間。

求人票を参考に、今後のキャリアプラン(といえば聞こえはいいけど大層な志はない)を考えることと自己分析を開始。同時並行で、履歴書・職務経歴書を書き始める。

R社のサイト(マイページ)上で、項目を埋めていけば簡単に履歴書・職務経歴書を作成できるのでこれはとても助かった。例文なども業種・職種ごとに用意されていたので参考になる。そしてなによりPDF・Word化してダウンロードできるのが便利だった。

8月末頃に職務経歴書をなんとか書き上げて、履歴書の写真を撮りに行く。見映えよくしたくて百貨店の写真屋などに行くことも考えたが、電話予約でしか受け付けていなかったり写真データがやけに高かったりと、コスパが悪かった。結局すぐ予約できる平均価格の雑居ビルにある写真屋へ。ワイシャツを第一ボタンまで留めて撮影したら、まるで新卒のような写真が出来上がってしまった。

 

9月

ここから地獄が始まる。

「書類選考は10%しか通過しません」と事前に聞かされてはいたけれど、その通りだった。有名企業はそもそも応募者が多く倍率が高いため、よほどの経歴が無ければ書類すら通過しない。毎日のように「他に条件の合う方がいたため」というお祈りメールが届く。

数打ちゃ当たる方式で毎日どこかしらに応募をし続け、なんとか第一次面接まで進んでも、落とされる日々が続く。

9月下旬頃にはただでさえ低い自己肯定感がボロボロになった。思い悩みすぎて、食生活は乱れ胃弱になり(ストレスで胃弱になりがちな体質)、睡眠の質も最悪だった。悪夢ももちろん見た。酷い時は4時頃に目が覚めてしまい、ベランダの窓を開けて手足を外に投げ出してボーッと放心しながら朝を迎えた日もあった。あの時の秋一歩手前の冷たい澄んだ空気と夜空は忘れられない。

面接のために早退や午後休を毎週とっていたため、周囲の目が気になり始める。もともと気にしぃな性格なので余計にストレスだった。また、会社に大きな隠し事をしながら働いてることにもストレスを感じ始めた。

 

10月

R社のサービスややり方に疑問と嫌気がさして、B社経由で見つけたC社エージェントに切り替え始めた。そしてやれることはなんでもやろう、と強運のご利益で有名な神社にも参拝する。神頼み、必死だった。

ここから風向きが大きく変わる。

C社エージェントの想像以上のサービスと面談内容の濃さに感動する。今まではなんだったんだ。この人なら信頼できる、と思えた。希望条件や方向性の擦り合わせがしっかりできていたため、紹介される求人も見当違いなものが無く、応募先を選ぶ作業がかなり楽になった。

ここからもまだ数社お祈りをされるものの、C社エージェントが珍しく「ここは個人的におすすめな会社です」と一言添えてくるような求人の選考が幸いにも通過した。先方の都合でなかなか次のスケジュールが決まらず焦らされる日々。

他にもR社経由の選考も最終選考まで進み、事態が好転してきていることを実感する。

一方で、年末までには今の仕事に区切りをつけたかったことと、私以外に2名も退職することが会議で伝えられて超超焦り始める。タイミングが悪すぎる。私も辞めるんだけどなという気持ちを胸に抱えながら、今後どうなるのかというランチの会話に参加する苦痛を味わう。

 

11月

R社経由で応募した企業、C社が紹介してくれた企業、どちらも最終面接まで終わり、内定が目の前まできた。通知が来るまで気が気じゃない日々を過ごす。

両方落とされたらどうしようと頭を悩ませながらも、2ヶ月間みっちり転職活動に時間とメンタルを費やしてきて心身がボロボロでもう何もしたくなくなっていた。万が一内定を貰えなかったら、失業給付を貰いながら転職活動することを視野に入れ始める。

結果、R社経由応募の企業は落ち、C社紹介の企業の内定を貰うことができた。誕生日直前。なによりも嬉しいプレゼントだった。勤務中に内定通知が届き、見た瞬間トイレへ駆け込んで方々へLINEや報告をした。その日は仕事にならなかった。

 

おわりに

もう2度と就活したくねーーーー!!!!という気持ちでいっぱいです。とても疲れた。転職のことを考えないで過ごせるこの日常がありがたいです。

大事な経験を積ませてくれた現職、転職エージェントさん、見守ってくれた家族友人フォロワーさん、そして私に内定を出してくれた新しい会社の担当者さん、すべてに感謝。

30歳を超えてから環境を大きく変えることばかりしてきているので、来年は落ち着いた一年を過ごそうと思います。

観劇記録 ミュージカルRAGTIME(ラグタイム)

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9月10日(土)@日生劇場

日本初演の作品。

推し俳優の東啓介(とんちゃん)が出演するということでチケットを確保した。当日の朝までチケット発券しないのはよくあることで、座席はわからないけどとりあえずオペラグラスを鞄に入れて家を出た。最寄り駅前のローソンで発券し、座席を確認する。「XC列」……見慣れない席番だけど、察するに最前列ブロックか最後列ブロックだろう。劇場公式HPの座席表で確認してみると前から3列目の下手席だった。そ、想像以上にステージが近くてビビる。事務所FC先行チケットなので恐らくとんちゃんが下手側に立つことが多いんだろうな。彼が出演する作品では席運に恵まれることが多いので、今回も本人と事務所への感謝の言葉を心の中で唱える。

 

以前会社でお世話になっていた先輩とのランチを終えて日比谷駅へ向かう。ドリボ(『DREAM BOYS』)も今日が初日と友人のSNS投稿を見て気付く。どうりでジャニオタっぽい女性がちらほら歩いてるわけだ、と納得する。初日がんばれしょっぴと慎太郎。と帝国劇場に念を送っておいた。

大きい劇場なので恐らく飲食スペースがあるだろうけど、席が空いてない時のことも考慮して一本満足だけ買った。どうせならおにぎりにすれば良かった。早めに到着したおかげで飲食席は確保できたのでそそくさと一本満足を頬張った。久しぶりに食べたけど美味しい。あのキャッチーなCMソングとアドリブダンスを食べる度に思い出す。

 

実際に着席するとわかるステージとの距離感。近い。大きな会場の近距離は久しぶりで、動揺する。「観劇はデート(服を着ておめかしして気合い入れるもの)」の信条に従って、最近お気に入りのワンピースを着てきてよかったと思った。

出演キャストをとんちゃんとネスミス以外把握してなかったので開演前に確認。石丸幹二井上芳雄安蘭けい……うん、豪華な面子。観客の人たちの会話も宝塚や井上さんのお話されてる方が多くて面白かった。「花組が〜」「この間の舞台も良くて〜」とか……。この間観劇した2.5次元舞台との違う空気感や会話をふんわり楽しんだ。

 

幕には黒人・白人・ユダヤ人の人々が投写されていて、この作品が3つの人種に関係する話なのだと察する。恥ずかしながら、アメリカの歴史に詳しくない。こうして海外の舞台・ミュージカル作品を観る機会が多くなっているので、いい加減アメリカの歴史について基礎知識と要点だけでも学んでおくべきだなと痛感した。

開幕後、投写された人物の位置からキャストが順に登場する。白人の中でやけに背の高いキャラクターがいるな〜と開演前に違和感を感じていたけれど、「あ、これはあそこからとんちゃん出てくるな」と予想通りになった。頭飛び抜けて大きい推し。今回も(いつも)足が長くて肩幅広くてカッコよくて輝いてた。折角最前ブロックの席を貰ったので、終始とんちゃんを追うことに集中した。劇中に、まさしく下手最前ブロックの客席に向かってアピールするシーンがあった。目がバッチリと合ってしまった。ありがとう、神様。ニッコリ笑顔の推しに内心動揺しつつ、こちらも笑顔を返させていただきました。

 

作品の内容についてはうまくお伝えできる自信がないので、役者さんに関連づけて印象的なところに触れる。

【ターテ役・石丸幹二

石丸さんの素敵なアルトが会場に響き渡る。声量がすごい。他の俳優の歌声を消す勢い。痺れるカッコよさだった。シリアスさや重苦しさを感じさせる演技をしている中で、マザー役安蘭けいさんとの台詞のかけ合いで少しコミカルな口調になる場面があった。客席から笑い声が上がって私は少し驚いたけど、ご本人もまさかあそこがウケると思いませんでした〜と仰っていた。

カテコで「日本では馴染みが薄い人種の問題。今は日本でも多様性について身近に感じることが多くなりました。この作品で取り上げられた3つのルーツについて、考えるきっかけになっていただけたらと思います」(※うろ覚え)と発言されていた。まさしくその意図を作品通して感じていて、最後は涙を流してしまったので、深く頷きながら言葉に聞き入った。

【コールハウス役・井上芳雄

今回、私が不意打ちを食らった人。一番ドキドキワクワクさせられた人だった。スターだと担ぎ上げられるのが分かる。自分の世界観に引き込むのが上手いというか、魅力的な歌声と演技につい見入ってしまう。そんな感覚。ムーラン・ルージュ行けば良かったな〜と何度も後悔してる。来年の再演は絶対に行こう。

黒人差別を受けた上に妻を白人に殺され、嘆き絶望した時の演技は圧巻だった。肉眼で彼の表情を見ることができたからこそ味わえた。

【マザー役・安蘭けい

何度も名前を聞いたことのある有名な宝塚出身の俳優さん。よく通る歌声が素敵だった。殻を脱ぎ捨てたいと思いつつも結局結婚をして安全な門の内側にいる自分と女性としてのコンプレックスを抱えながら、異なる人種であっても懐に受け入れてすべてを愛する正義感の強い人、という印象的な役柄だった。最後、まさかターテと結婚するとは思わなかったけれど笑。

カテコで感極まって泣かれていた。まさかの初日に。「まるで千秋楽みたいだね」と井上さんが茶化していた。安蘭さんの人柄に触れられた、微笑ましいワンシーンだった。

【サラ役・遙海】

歌声の透明感と力強さに感動して涙が出た。透明感と力強さって共存できるんだね。『RENT』で注目を集めたみたいだし、今後の活躍が期待されているんだろうな。井上さんとのデュエットが素敵だった。

生まれたばかりの子供を捨てて殺そうとしたことを謝ったり、子供の未来に希望を抱いて期待したり、子供を置いて演説に乗り込んで死んでしまったり、悲惨な人生を歩むキャラクターではあるけれど母親としてはひどく身勝手な振る舞いだな…と少し不満に感じるところがあった。

【ヤンガーブラザー役・東啓介

まだ年齢が若いこともあって、海外作品だと変わり映えのない現状に不満を持ち刺激的なことに飢えている若者、という役柄を演じることが多いな〜と改めて思った。

とんちゃんの歌も演技も十分上手いと思ってるけど、石丸さんや井上さんと一緒にいるとまだまだ伸び代があるなと感じた。成長しきった時のとんちゃんを観るのが今から楽しみ。

 

 

スキンケアとちゃんと向き合ったら肌荒れ無くなった

コロナに罹ってから謎の肌荒れ・かぶれが続いていたけれど、やっと落ち着いてきた。免疫が戻ってきたということなんだろうか。

 

スキンケア変遷

20代前半はよくわからないけどとりあえずデパコス使っておけばいいだろ期。

20代後半はプチプラも取り入れつつ、漢方・ビタミン剤や美容系皮膚科の保険適用外美容液でニキビを治そう期。(なお、ニキビについて根本的な解決には至らなかった)

30代前半になった今は、インナーケアと保湿重視で韓国コスメ導入期。

 

生理前やストレスでニキビができやすい体質だった私。30代に突入したりマスク生活を経て、顔の肌荒れや老化が進んだ。「こーれは流石に、いや流石に…え?」と危機感を自覚して、スキンケアをちゃんと見直すことにしました。

 

クレンジング・保湿・インナーケアを気をつけるだけで肌荒れは改善する

肌荒れ対策について検索すると、重視されているのはクレンジングと保湿。そして根本的な解決方法としてはインナーケアも大事。

私はすべてを軽んじていた。見よう見まねで続けてきたスキンケアでは、細胞の劣化と自己回復力の低下に対応できない。悲しいことに。

実際に見直してみたら肌質や肌艶が変わった。

ニキビにはほぼ悩まされなくなったし、化粧ノリも良い。クレンジング・洗顔後は肌がつっぱらず、ちゃんと呼吸できてるなと感じる洗い上がりになったのが特に気に入ってる。

1年間続けてみて一定のコンディションを保てたのは大きな功績だと思っている。

 

洗顔(クレンジング)】

手順としては

アイメイクをクレンジングウォーターで拭き取り

→クレンジングオイル

→使い捨てタオルでオイルを拭き取り(顔にのせてポンポンするだけ。擦らない)

→クレンジングウォーターでオイルを拭取り

→水で洗顔→使い捨てタオルで拭く

以上

とにかく擦らないよう気をつけたのと、クレンジングオイルが残らないように丁寧に洗い流すのがポイントなんだと思う。

使い捨てタオルは厚手のものを購入してて、表裏使って節約してる。洗面台の掃除の時などでも使えるので意外とオススメ。

 

【スキンケア】

韓国式10ステップスキンケアを参考に、個人的に最低限押さえるべきとこを真似した。

化粧水(ビタミン系)

→美容液

→パック(ビタミン・美容液タイプ)

→アイクリーム(いきなり瞼と乾燥がひどいことになって急遽導入した。乾燥対策でとりあえず保湿系を使用)

→保湿クリーム

以上

スキンケア商品はニキビ対策兼ねてビタミン系を使ってる。保湿ができればいいから、特化してる成分は何に悩んでるかによって自由に変えていいんじゃないかな。

今までのスキンケアと一番変わったのはちゃんと毎晩パックをするようにしたこと。日本製のパックがどうしても好きになれず、大事な行程だと分かっていながらも続かなかった。でも韓国製のパックは自分の顔のサイズにも合うし、薄手で美容液がたっっぷり染み込んでる。私が不満に感じてたことがクリアされてからパックすることへの苦手意識が無くなった。

見直し前は頬の毛穴の開きがすごかったけど、かなり落ち着いた。赤みと跡がなかなか消えないからこれは美容治療に頼るところなのかな、と。ただ、薄めにファンデ塗る程度でカバーできる程度なので経過観察中。

 

【インナーケア】

整体兼エステの先生にオススメしてもらった栄養ドリンクを飲み続けてる。栄養計算とか無理だしそんなにたくさんの食材を使って料理するのも無理。だったら多少高くていいから栄養ドリンクで済ませればいいや〜って感じ。高いだけにちゃんと効果があるので不満はない

ダイエット兼ねて白米にもち麦混ぜて食べてるんですが、食物繊維豊富なのが効いてるようで便秘に悩むことが無くなった。肌にも少なからず影響は出てそう。

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実際使ってるスキンケア。全体的に黄色い。

 

肌荒れはおさまったから、次はたるみと戦う

マスク生活のせいで、目の下のクマやたるみがすっっっごいことになってる。

これはスキンケアでは改善されないから、顔の筋肉を地道に育てていくしかない。とりあえず思い出した時に舌を回したり、目の下の筋トレしてる。

ついこの間信号待ちしてたら、横断歩道の向こうにいる女性が思いっきり顔筋トレーニングしてた。意識の違いを見せつけられて純粋に感心した。

新作歌舞伎 刀剣乱舞『月刀剣縁桐』 感想

7月5日16時半開演の回、仕事を早退して観てきました。

刀ステFC抽選を応募し忘れて観に行けないかもと思ったけれど、リセールチケットが出てたので普通にチケ取れました。リセールシステム本当にありがたい。

【総評】歌舞伎初心者の舞台オタクでも大満足

正直言って期待以上のクオリティ。もし次回作があるなら、絶対に観に行きたい!と思う。

歌舞伎の伝統的な時代物・様式美・世界観と刀剣乱舞の自由度の高いストーリー性が綺麗に融合していて、新しいエンタテイメント作品として完成されていた。日本の刀剣を題材としている刀剣乱舞と日本の伝統芸能の親和性が高いのはわかるけれど、ここまでお互いの魅力と世界観を守りながらも面白さを存分に魅せることができるものなのか、と感動した。

歌舞伎って話している言葉が難しくてストーリーすら理解できないかもと思っていたけれど、イヤホンガイド*1で登場人物、場面や歌舞伎ならではの演出などの説明を聞きながら観劇したらすんなりと世界観に入り込むことができて楽しめた。

歌舞伎ならでは(歌舞伎でしかできない)の表現や舞台の使い方などを存分に味わうことができたのも面白かったポイント。ストレートプレイやミュージカルの舞台を色々観てきたからこそ、「普段観られない特別なものを観た」という新鮮さがより興奮を助長した気がする。

刀剣乱舞のメディアミックス作品お約束の「元主を見殺しにしなければならない刀剣の苦悩や葛藤」が今作でもしっかり描かれていた。

足利義輝三日月宗近が主軸となる話は、舞台刀剣乱舞(刀ステ) 悲伝 結いの目の不如帰でも描かれている。刀ステ悲伝はシリーズ作品の流れを汲んだ上でのお話だったので、刀ステ本丸での三日月宗近という特別な刀にスポットが当てられていた。対して歌舞伎本丸*2では、どちらかというと足利義輝や松永家にスポットが当てられたお話だった。

歴史上の人物を描くのは歌舞伎の得意技だろうから、義輝とその周辺人物に関する深掘りや魅せ方は納得のクオリティ。ここは本格的な歌舞伎の要素を刀剣乱舞ファンに知ってもらおうという意図が強く感じられた。ちなみに、義輝の妹・紅梅姫*3三日月宗近に恋心を抱く、というオリジナルシナリオが個人的には気に入ってる。人間と刀剣の恋愛絡みのネタはほとんど扱われてこなかったので、夢女としての血が騒いだ。ありがとう歌舞伎本丸。

新作歌舞伎というジャンルがどういうものなのかを、今作を通して知ることができたのも良かったと思っている。チャレンジ性が強いジャンルであるからこそ、伝統の歌舞伎だけでなく現代の舞台として一定以上のレベルを求められているだろう。新作歌舞伎に携わる演者や製作陣の方々の覚悟を想像するだけでも楽しめる。ついこの間までFF10歌舞伎も上演されていたし、今後もゲーム作品とのコラボ歌舞伎が増えていくのかと思うと楽しみで仕方ない。

kabuki-toukenranbu.jp

www.dmm.com

 

以下、備忘を兼ねた細かい感想(ネタバレ込み)

 

【序盤】

まずは刀剣男士の顕現シーン。初っ端から私が驚かされたのは、刀工・三条宗近が三日月宗近を鍛刀するシーンから始まったこと。「あ、この舞台すごいことになりそう」と確信した瞬間だった。

そもそも平安時代の刀剣はどのように作られたのか、という演出。決められた作法、儀式の手順に則って作られていく過程をしっかり時間をとって演じられた。日本の伝統芸能を重んじる歌舞伎の舞台上で表現されたことに深い意図を感じた。同時進行のイヤホンガイドで、作法の説明などもされたのでとても勉強になった。

その後、刀剣男士が登場。

現代の舞台のように*4各人にスポットライトが当てられて、原作の口上に歌舞伎の要素が加えられたオリジナル版の台詞だった。ビジュアルはポスターやパンフレットで見ているはずなのに、こうして目の前に刀剣男士が現れる瞬間というのはいつ何回見ても興奮と感動を覚える。

歌舞伎アレンジの衣装デザインや使用している布の高級感、そして歌舞伎俳優さんたちの体躯がキャラクターの重厚感を増し増しにしていて、いつも見ている若手俳優刀剣男士たちからは感じにくい神々しさを感じた。というか浴びた。

三日月宗近・小狐丸・小烏丸・髭切・膝丸という雅で華やかな太刀キャラの中に同田貫正国という無骨な打刀キャラが1人加わっているのも面白いというか、他メンバーとのギャップで同田貫のかっこよさが際立っていたように思う。同田貫はどの本丸にいても、立ち位置がぶれなくて本当にかっこいい。毎回惚れ直す。

顕現の前に、歌舞伎本丸の審神者とこんのすけモチーフの従者たちの会話があったのを忘れていた。

歌舞伎本丸では審神者が音声のみで出演。音声は中村獅童。いやいやいや、こんな審神者、存在感強すぎる。この本丸絶対強い。ムキムキで立派な髭を生やした頑健な審神者を妄想してしまって笑ってしまった。

こんのすけモチーフの従者さんは、狐火モチーフの柄があしらわれた衣装。靴が黄色になっているのも可愛かった。ちなみにこのこんのすけ従者さんたちは開演前に客席降りして、注意事項アナウンス前説をやってくれた。

 

【中盤】

中盤は正統派な歌舞伎のターン。主に足利義輝、松永久直、松永弾正と異界の存在がメイン。異界の存在に呪われ操られ、病を患ったり暴君へと変えられてしまう義輝と、それを止めようとする松永家が描かれる。

ここで歌舞伎ならではの感情表現の手法に気付く。歌舞伎役者は顔を白塗りにしていて、表情の細かい変化はわからない。その代わりに見得だけじゃなく、足の運び方・歩き方、使う楽器や大道具にも特徴を持たせているんだと。松永久直が三日月宗近に「松永弾正が足利義輝を討つのが歴史の運命」と告げられて、重い覚悟と決心を抱えて花道から退場するシーンが特に印象的だった。重い足取りだけれど力強さも感じられて、大股で、目の前を見据えて歩く姿はとてもカッコよかった。

作法が決まっているから、この音楽が流れるということは…この垂れ幕が降りたということは…と、観客も話の起承転結を理解しやすくなっているんだなと関心した。

あと宮中で刀剣男士たちが舞を披露するシーンも印象的。各刀剣男士の扇子のデザインも綺麗だったし、彼らが舞い踊る姿が見れたのが楽しかった。オタクを喜ばせるのが上手だなと思う演出がいくつもあって、心の中で拍手を常に送っている自分がいた。

 

【終盤】

ここから刀剣男士と異界の存在、そして足利義輝三日月宗近の戦いが描かれて熱い展開になる。異界の存在や封印されていた妖と戦うシーンでは主に小烏丸と髭膝兄弟が活躍。

髭膝は妖を斬る刀として有名だから特別感を表したかったようで、右腕側の着物を一枚脱いで紋様が描かれた着物の状態で戦闘。時間遡行軍と戦う時は通常バージョンの衣装だったので、対妖・異形用の特別な衣装チェンジだったと思う。芸が細かい。そういうの好きです。

小烏丸は妖を封印する役目。八咫烏を冠する我のなんとか〜と言っていた。見守り役に徹する役割が多い小烏丸の見せ場を作ってくれてありがとう。

そして、足利義輝三日月宗近の戦い。

階段になっている大道具には、義輝の愛刀たちが刺さっている状態。きたきた、義輝様最期のお約束演出。刀剣の収集家だった義輝は、最期の戦いで刀を次から次へと入れ替えて戦ったという逸話がある。だから地面にたくさんの刀が突き刺さった場面演出がお約束になってる。何度見ても厨二感満載で好き。歌舞伎でも同じことをやるんだなと面白く感じた。

アンサンブルの方々が次々と義輝に斬り伏せられているシーン。アクロバティックな演出や、これ滝沢歌舞伎*5で観たことある!という歌舞伎の演出もあって興奮した。滝沢歌舞伎を観るだけではわからなかった歌舞伎独自の演技の説明をイヤホンガイドで聞けてよかった。

呪いから解き放たれて正気に戻った義輝だけれど、彼はこの永禄の変で死ななければならない。義輝を殺す役目は三日月宗近に託される。激しい攻防の末、三日月が義輝にとどめを刺す。凛とした姿で立ち向かう三日月だけれど、やっぱり最後の一撃はとても苦しそうに見えた。元主を斬る刀剣男士の姿は、何度見ても切なくて感動してしまう。

最期に義輝が岩壁から奈落へと、背中から飛び降りて幕引き。

尾上右近尾上松也、両名迫真の演技が最高だった。

 

そしてエピローグの後のエンディング。刀剣男士一人ひとりの決め台詞の後、現れたのは各刀剣男士を模した刀身。

その演出は素晴らしすぎる、ずるい。最後まで抜かりない演出に脱帽。

最初から最後まで、余すところなく楽しめるいい舞台だったと感動した。

 

 

*1:音声同時解説のサービス。絶対レンタルした方がいい。歌舞伎独特の約束事や演出、なじみの薄い言葉や習慣、大道具小道具楽器などの説明も全部してくれる。当日レンタル可能で単品だと800円だった。

*2:刀剣乱舞では基本的に「これはとある本丸の話」と、各作品ごとに別軸の世界線のお話ですよと区別しているのが慣習。舞台刀剣乱舞なら刀ステ本丸というようにファンの間では通称名として使われている。それを知っていたようで、尾上松也さんがカーテンコールで「歌舞伎本丸もよろしくお願いします」と明言していた。

*3:歌舞伎に登場するお姫様役を衣装の色から「赤姫」と呼ぶ。美しく華やかなお姫様の姿の象徴であり、激しい恋に燃える一途な情熱を表現している。という説明を同時進行で聞いて私は心の中で大興奮してしまった。

*4:歌舞伎は基本的にずっと照明が明るいイメージがあったので、舞台が暗転してスポットライトを使う演出をやっていいんだ、と驚いた。

*5:作・構成・総合演出ジャニー喜多川の和に特化した舞台。ジャニーズ界隈では有名な舞台で、私はSnowMan主演verをDVDで観ている。

繁忙期よさようなら。二度と来ないでくれ。

お疲れ様、自分

繁忙期がやっと終わり、読書をしたりゲームをしたり文字を書く気力も復活してきた。

年末からずっと忙しない状況だったけど、特に3月は人生で一番残業をするほど働いてしまった。来年はこうならないという保証も無いし、会社の方向性諸々が変わりつつあるしここから良くなる予感もしないので、そろそろ潮時かなと思いつつある。

とにかく3月はもう働きたくなくて、30日31日と2日間有給をとった。有給をちゃんと取るのも久しぶりな気がする。1ヶ月弱残っている有給を辞めるまでに使い切らなきゃなと、自然と辞める方向に思考が働いているのがなんとも言えない。

 

頑張ることをやめたい

なんとか4ヶ月弱を体調壊さずに生きられたものの、こんな働き方をする人生や職場は嫌だな〜と過ごす日々だった。

回された仕事を真面目に取り組む姿勢ぐらいしか取り柄がなくて、とりあえず目の前にある仕事を頑張ってきたけど、それが自分の幸せに繋がっているように思えなかった。そんな鬱々とした気持ちを抱えながらここまできてしまったなと反省をしつつ、ふと母親に言われたことを思い出す。

 

「もう頑張らないでほしい」

 

他の会社に転職するかも〜と両親と話していた時に出た言葉だった。

その場にいた父はその発言の意図を理解できなかったようで少し怒っていた。仕事を頑張りすぎて疲れ果てて何もできなくなってしまう私のことを、実家にいる間よく見てくれていただろう母の口から出た言葉に私は何も言えなかった。

このことを友人に話した時、私は思わず泣いてしまった。それぐらい今の私にとって「頑張る」ことに追い詰められていたんだと痛感した。

 

それからは「がんばりすぎない」マインドについて意識するようになったし、考えるようになった。

30歳を超えたことや一人暮らしを始めたことで、自分の中の人生観や価値観が変わってきていたので、働き方を変えていくにはいいタイミングなのかもしれないと前向きに捉えている。

仕事と私生活のバランスを見直して、自分の生きやすい環境を作る。今年の目標として頭の隅に置いておきたい。

 

暮らすって楽しい

私生活の環境が変わって、最近強く思うのが「私は家で過ごす時間が大好き」だということ。

動画視聴、ゲームや読書など、室内で行うサブカルが大好きなのだから当然といえば当然ではある。でも、それに加えて自分が意外と料理に前向きで「今週末は何を作ろう。新しいもの習得したいな」「来週は忙しいだろうから何か作り置き作ろうかな」と考えて作るのを楽しめるようになったことで、好きに拍車がかかっている気がする。

まだ一人暮らし1年目のバフがかかっているだけかな。だとしてもバフがかかり続けているならそれはそれで良いことだと思いたい。慣れてきたらその時はその時で、また色々思うことが変わってくるんだろうなとちょっとワクワクしている自分がいる。

今まで頭の中は仕事か趣味のことばかりを考えていたけれど、暮らし方について重きを置くようになったからこそ、仕事との向き合い方を変えたいと考えることが多くなったんだろうな。

 

木下龍也著『あなたのための短歌集』を読んで

木下さんのことを知ったきっかけは情熱大陸

まさしくこの『あなたのための短歌集』の元となった企画「あなたのための短歌一首」のリアルイベントに密着していた映像が流れていました。

依頼者のために作った短歌はあくまで木下さんの個人販売で、推敲した履歴も完成した短歌も残さず、公開もしない。というスタンスの企画ですが、その依頼者に短歌を提供していただいて本が作られたそうです。この時点で興味深い内容だなと、当時から思っていました。

番組の後半には谷川俊太郎先生との対談もあり、かなり緊張されている様子や、歌人として今後どうすればよいかという悩みを打ち明けるシーンもあり、未知の存在であった歌人も同じ1人の人間なんだなと感じたのをよく覚えています。

 

短歌のことよくわからない人にこそおすすめしたい一冊

 

本当に、まさか短歌を読んで泣く日がくるなんて思いもしませんでした。

私は共感力が高いタイプだと自負しているので、人によっては大げさだと言われてしまうかもしれません。ですが、短歌の一つひとつから感じるメッセージ性と言葉の繊細さに感動するはず。この歌集のなかに心に響く短歌が、誰にでも一つはあるんじゃないかと思います。

前述もしましたが、特徴的なのは依頼者のお題をもとに作られた短歌であること。

本の構成として、見開きの右側にお題、左側に短歌となっているのが良い。普通は短歌だけが記載されていると思うんですが、こうやってお題が明示されていることでより鮮明に情景をイメージできて、言葉の深みを味わうことができました。

お題は「犬との散歩が楽しくなる短歌をお願いします」など一文におさまるシンプルなものもあれば、依頼者自身のエピソードが綴られているものも多く、家族の死や深い悩みにまつわるお題もありました。

お題だけをまず読んで「この難しいお題にどう答えるんだろう?」と自分でもほんの一瞬思案して、左側の短歌を見る。すると予想外のワードがまず飛び込んできたりして面白い。一首読み切ってから依頼者の気持ちになって反芻するうちに、じわじわと心の奥に言葉が染み込んでいく。そして涙が出てくる。そんなことを繰り返してあっという間に100首が終わってしまいました。

今まで短歌をまともに読んだことが無くて、正直良し悪しもわからない。よくわからないけどなんか泣けるし、クスッと笑えるものもあるし、エモいなと感じるものもある。自分が想像していた古典的な短歌とは異なる、現代短歌というジャンルに魅入られてしまいました。

 

どれも素敵な短歌ですが、今の気分でお気に入りの短歌をひとつだけ紹介しておきます。

073

私は他者から何かを要望されたときに断るのがとても苦手で、自分が本当は納得していないことでも、受け入れてしまうことが多いです。でも、いざ実行するときにはとても後悔して、半べそをかきながら臨むことが多々あります。自分にとっても相手にとっても不幸な時間をつくっているなと思います。「嫌われたくない」「いい人でありたい」といった雑念が消えて、自分の意思を伝えられるようになるための短歌がほしいです。

 

ケバブ屋のようにほほえみ望まれるままにわたしを削ぎ取るわたし